毛穴セラピストの肌断食記録

エステ、ダーマペン、レーザーなど ありとあらゆる方法を試し、最終行き着いたのが《肌断食、角質培養》 イギリスの文科省・厚労省認定セラピストの国際資格を取得し、 エステ・セラピーサロンを3店舗経験した私の 肌断食記録をゆるく綴っていきます。

肌断食〜肌とは〜

肌とは何か。

まず基礎中の基礎。ですが、誰しも忘れがちな“肌”の本質についてお話ししようと思います。

では単刀直入に、解剖生理学的に申し上げますと、お肌=臓器なんです。「臓器なんだ〜。」って思いながら接している人はほとんどいませんよね!

そしてすごいのが、「人体最大の臓器」であること。日本人の成人の平均で約1.6㎡の面積(およそ畳1枚分)、体重の16%(約3kg)の重量を占めているそうです。脳(約1.4kg)より重いですね。

 

そんな臓器である私たちの皮膚はとってもとっても重要な働きをしてくれています。

また、人間の体はとても不思議で、すべての細胞、器官、臓器に重要な役割や意味があり、常に働き体の恒常性“ホメオスタシス”を保っています。つまり、生きているだけで自動的に不具合を治し、正常に保とうとしてくれているんです!皮膚もそう!

 

ホメオスタシスとは 一定の状態を保とうとする調節機能

 

肌の6つの役割

・保護作用:身体の中の器官や臓器を、外部からの刺激(機械的・物理的な力、微生物、紫外線、化学刺激物質など)から体を守るとともに、体重70%を占める水分の保持。

・分泌作用:皮脂や汗を分泌。皮脂腺から分泌される弱酸性の脂は、皮膚の乾燥を防いだり、細菌の繁殖を防ぐ。

・体温調節作用:暑い時には汗を出して体温の上昇を防ぎ、寒い時には立毛筋を収縮させて体温が奪われないようにする。

・貯蓄作用:皮下に脂肪を蓄える

・排泄作用:体内の老廃物を汗腺から汗として体外に捨てる

・知覚作用:触覚、痛覚、温覚、冷覚、かゆみなどの感覚をとらえ中枢に伝える。

 

また皮膚は脳であるという学説も発表されています。

皮膚には独自の受容体がケラチノサイトにあります。ある実験で、神経系の情報伝達物質を皮膚に塗った時、皮膚は脳を介さずともそれに反応した。要するに、皮膚にはその薬物の受容体があることを示していて、実験者は脳と同じような高度な情報処理機能を皮膚は備えている。と述べています。

 

すごいですよね?みくびっていました。

また驚きなのが、肌には吸収作用がないということ。

もし肌に吸収作用があったとして、、化粧水の主な成分の水を吸収するようであれば...お風呂やプールには入れません(笑)

 

 

皮膚の構造

身体の1番外側を覆っている表皮。この表皮の厚さは“約0.2mm”、顔に至っては“約0.04-0.07mm”しかありません。

これはほぼラップ1枚の厚さと同等です。

 

ではそのラップ1枚の厚さの中に何があるのかを見ていきましょう。

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このように表皮は4つの層で構成されており、常に新しい細胞が作られ「ターンオーバー」を繰り返しています。ターンオーバーは通常、約28〜40日と言われております。


 ・角質層:外的刺激から皮膚を守るバリアの役割。角質層の表面には、汗腺から分泌される汗と皮脂腺から分泌される皮脂がほどよく混ざった“皮脂膜“があり、皮脂膜が角質層を守っています。また、新しい細胞が生まれてから角質層の細胞はすでに細胞核が失われており、死んだ細胞が15層程積み重なっている状態です。これらは自然にはがれ落ちていき、その際に新しい細胞をつくようにと指令が出されます。

・顆粒層:角質層と同じく外的刺激から肌を守る働きをしています。また“ケラトヒアリン顆粒“という小さなビーズ状の粒が、入ってきた紫外線等を跳ね返す役割をしています。

・有棘層:表皮の中で一番厚い層で、リンパ液が流れている他、知覚神経もあります。有棘層には“ランゲルハンス細胞“という免疫細胞があり、体内に入ってきた物質が異物なのかそうでないのかを判別しています。私物と判別した場合は体外に排除しようとし、現れるのが「アレルギー反応」です。

・基底層:基底層では“ケラチノサイト“の細胞分裂が最も盛んに行われています。ケラチノサイトが細胞分裂をして、角質層へ押し上げられるように移動し、細胞核が失われるまでに約2週間かかります。ケラチノサイトが角質細胞へと変化することを「角化」と言い、ケラチノサイトは「角化細胞」とも呼ばれます。基底層には“メラノサイト(色素細胞)“があり、紫外線を浴びることで活性化し、メラニン色素を生成することによって、紫外線から真皮層を守っています。

 

そして表皮の下には真皮皮下組織が存在します。

皮膚の95%を占める真皮の主な構成成分は以下の3つです。

・コラーゲン:真皮の繊維を構成する最も重要なタンパク質で、構造性・弾力性を維持するためにとても重要。70%を占めている。

ヒアルロン酸:肌の水分維持に最も重要な役割を果たしている。

・エラスチン:肌の弾力性を維持するために重要な弾力繊維を構成する主要なタンパク質。

また血管、神経、リンパが通っており、表皮に栄養素と酸素を運んでいます。

 

皮下組織は、外部からの衝撃を和らげるクションの役割や、エネルギーを蓄えており、結合組織と脂肪細胞から成り、太めの血管や神経を含んでいます。

 

 

ターンオーバーの正常化

お分かりの通り、それぞれの層に重大な役割があるんです。ということは、早すぎても遅すぎてもダメ!!!正常なスピードでなければ綺麗なお肌は保てません。

 

私は誤った常識?固定概念?のミスリードで、「ターンオーバーは促進させなければならない。」という呪縛に囚われていました。

\スクラブで!ピーリングで!酵素で!炭酸で!/

わっしょいわっしょい!

 

もちろん、それが必要なお肌の状態もあります!

要は自分のお肌のターンオーバーが通常なのか、早すぎなのか、遅すぎなのかを見極める力が大切だということ。また、基本的に人間のお肌は勝手に正常を保とうとしてくれていることを忘れてはいけません。

ホメオスタシスですね。

 

また、ターンオーバーは人によって異なりますし、顔の場所によっても異なります。Tゾーンは遅くて正常。目元や口元はものすごい早くても正常なんです。

 

 

<ターンオーバーを無理に早めると>

私たちは化粧品を使いターンオーバーを促進しようと必死ですが、それでは本来“保湿バリア”としてまだ活躍している角質がはがれてしまい、まだ未熟な角化細胞が表面に出てきてしまいます。もちろん“保湿バリア”としての能力が低い状態なので、乾燥してしまう。そういうことです。

また、皮膚理論上ではとても特別なクレンジングと洗顔を当たり前のようにしておりますが、クレンジングは、洗顔では落とせないほどの汚れを落とします。それは、お肌に必要な油分(細胞間脂質、セラミド、NMF)を吸い取り、角質を剥がれやすくしてしまうのです。

そしてさらに洗顔を時間をかけて丁寧にすることで、活躍中の角質を剥がす結果となり、よりターンオーバーを早めてしまうことになります。すると15層全てが未熟な細胞のまま最前線に送り出されてしまうので、戦えないままとても脆く簡単に剥がれてしまう。まさに負のループです。

 

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<ターンオーバーが遅いと>

“ターンオーバーが遅い”“肌の代謝が悪い”よく聞きますよね。私もしょっちゅう言っていました。でも実は、ターンオーバーの遅い人ってほとんどいないそうなんです!!!...衝撃。

10年以上も私は何をしてきたんだと悲しくなります。

実際に500万人の角質データ(ポーラアペックスi)では、ターンオーバーが遅い人は検出されず、ターンオーバーが早いケースが多かったそう。また資生堂の研究所の方も同じような意見をされたと聞きました。 

 

肌断食をする理由。

もうお分かりのとおり、肌断食=ターンオーバーの正常化だったんです。角質を培養することこそがターンオーバーを元どおりにする唯一の方法と言っても過言ではないくらい。

 

もちろん、ターンオーバーに限ってです。炎症であったり、過度な乾燥には何かの力を借りた方が良い時もあります。ですが、地のお肌が正常でないと、次から次へとトラブルは尽きないでしょう。

 

本格的な肌断食はお肌に何もつけません。

下地、日焼け止め、ファンデーション、チーク、クレンジング、洗顔、化粧水、美容液、乳液、クリーム。全てです!こう並べてみると、どんだけのものをお肌に擦り付けていたのかとびっくりですよね(笑)

 

お仕事上、メイクをせざるを得ない方は、石鹸で落とせるミネラルタイプのメイク道具に変え、純石鹸で優しく素早く洗顔し、それ以上は何もつけないことをオススメします。

 

まずは、今までターンオーバーを早めてしまっていた。 たくさんの保湿をして過保護になってしまっていた。このことで本来の役割を見失っていた自身の肌の叩き起こすのです!!!

 

 

そうすると劇的にお肌は変わります!最悪な状態に!

そうです。最初は肌が機能を怠っていたツケが一気にきます。お肌はザラザラ、角栓祭りになり、ニキビができたり、本当に嫌になります。

 

でも、お肌が自身の役割を再開しよう、全うしようと頑張ってくれている証拠なので、少しの辛抱。自分のお肌を信じて見守ってあげましょう。

 

角栓が育つ=肌が再生している

→その先にターンオーバー の正常化、本来のお肌が待っています。